こんにちは、東大生英語教師のジャックです。
今回は、
TOEICのIPテストのスコアを
就活の履歴書に使っていいの?
という疑問にケリをつけようと思います。
TOEICのIPテストは公式ではないので、
就活などで履歴書に書いていいか迷うでしょう。
ネットで調べてみると、
就活の履歴書では
- 公式と全く区別しなくていい派
- IPは公式スコアとして使ってはいけない派
が両方います。
「どっちだよ!!」
ってなるんで、今回の記事で明確な結論を出しておこうと。
では、もういきなり結論からいいます。
「TOEICのIPテストを履歴書につかっていいか?」
の結論としては、
IPスコアを使っていい・使っちゃいけないのゼロイチの話ではなく、
会社に公式認定書を求められるかどうか?
がカギとなります。
つまり、あなたが志望する会社が
公式認定書を求める→IPじゃダメ
公式認定書を求めない→IPでOK。IPと明示しなくても可
となります。
では、なぜこの結論に至ったのか?
公式認定書はどんな場合に求められるのか?
そして、就職先への履歴書にはどのように書けばいいのか?
などなど、履歴書におけるIPスコアについて、
詳しくみていきましょう。
公開テストとIPテストの違い
IPを使っていいか?を判断するには、そもそも違いを知っていなければいけません。
公開テストとIPテストの違いは、主に6つあって、
- 運営者
- 受験料
- 開催日
- スコアシート
- 結果が出るまでの期間
- 出題元
です。
運営者の違い
公開テストの場合、TOEIC側が用紙した会場と試験監督でテストをします。
しかし、IPはそうではありません。
そもそもIPテストのIPは、Institutional Programの略で、
Institution = 機関 (会社や学校、団体など)が運営する、
という意味です。
僕は英語教師として、英検の準会場(TOEICでいうIPみたいなもの)
を運営したことがあるんですけど、
- 問題用紙などが公式から郵送される
- それを元に受験者に解かせる(試験監督も自分で用意)
- 問題用紙と解答済み解答用紙を返送
という感じで、運営はすべて自分でやらないといけません。
これと同じで、IPテストの時には、その場にTOEIC側の人間は一人もいません。
全て会社や学校などの団体が用意した会場・試験監督です。
受験料の違い
我々TOEICを受ける側の人間からすると、受験料はかなり大きい違いです。
TOEICの公式テストの受験料は2020年4月から値上がりし現在は、
6490円(税込)
となっています。(値上がり前は5725円(税込)でした。)
しかし、TOEICIPテストの方は値上がりしておらず、
4,230円(税込)
となってます。
1.5倍くらいの差はあるので、
公開テスト2回受ける料金でIPテストは3回受けることができる計算です。
これは、かなりありがたいですね。
開催日
TOEICの公開テストは一年10回、決まった日にちで行われています。
日程もかなり前の段階からわかるので、日程を合わせるのも簡単です。
しかしIPテストの方は、運営団体側が日程や時間を決めることができるので、毎回バラバラです。
なので、団体によっては年1回しか行わなかったりとか、
今年は行わない、となったりするので、
きちんと日程を合わせないといけません。
きちんと各団体のホームページなどで確認しておきましょう。
スコアシートの違い
そして、ここが今回の論点です。
なぜ、「IPテストは就活に使っていいのか?」という議論が起こっているのかと言えば、
スコアシートが公開テストとは違うからです。
具体的には、公式テストの方では
顔写真付きの公式認定証(Official Score Certificate)が発行されますが、
IPテストでは公式認定証の発行はなく、
個人成績表(スコアレポート)が発行されます。
「じゃあ、公式認定証と個人成績表、なにが違うの?」
というと、
見た目が違います。
(TOEIC公式ホームページより)
大きな違いは、
- 顔写真があるかないか
- 色
- そもそもの書類のタイトル
ですね。
それ以外の情報は、ほとんど同じだし、
もちろんIPでもリーディングとリスニングの点数は知ることができます。
結果が出るまでの期間の違い
TOEICの公開テストでは、スコアがネット上で見れるまでに3週間、
実際に公式認定証が手元に届くまでに最大30日かかります。
でもIPテストの場合はもっと早いです。
IPテストの場合は、TOEIC側がテスト資材を受け取ってから5営業日です。
つまり、テストから約1週間後に結果が受け取れます。
だから、就活などで
「できるだけ早く結果を手にしたい!!」
と言う方はIPテストで受けるのもありだと思います。
出題元の違い
TOEICの公開テストは毎回毎回新しく問題を作ってます。
ですがTOEIC IPテストの場合はそうではありません。
IPテストの問題はどこから持ってきてるかと言うと、
公開テストの過去問です。
公開テストで以前出した過去問の中からランダムで出題しています。
(もちろん一式丸々ではなく、設問ごとにランダムです。)
「そんなことしたら、一回見た設問がまた出てくるんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、その可能性は十分にあります。
とはいっても、これはIPテストだけの話ではないです。
実は、公開テストの一部も、過去問の使い回しなんです。
だから、IPテストは昔みた問題が出やすいから有利、とかそういう話ではないです。
しかも、そんなに頻繁に見たことある問題が出題されるわけではなく、
毎回TOEICを受けている猛者でもない限りは、
何回か受けて一問あるかどうか
くらいの感覚です。
なので、過去問どうこうは基本気にするだけ時間のムダだと思います。
IPの方が点を取りやすい?
ちまたでは、
「TOEICは年々難しくなっている」
「だからIPは昔の問題が出るぶん簡単」
という話がありますが、本当なのでしょうか?
結論からいうと、
公開テストもIPテストも点の取りやすさは同じです。
たしかに、難易度の違いはあります。
TOEICは年々対策されているので、受験者のレベルも上がり、
それにあわれて問題も難しくなっています。
でも、TOEICのスコアは正答数の単純な足し算ではなく、統計的処理で決められています。
つまり、
問題が難しい→点数を上げる
問題がカンタン→点数を下げる
っていう処理があるんです。
だから、いくら問題が簡単といっても、その分正解率を上げないといけないんです。
だから、問題が難易度にかかわらず、同じ実力の人は同じスコアが出るようになってるんです。
IPのスコアを履歴書に書いていいの?
ではこれらを踏まえた上で、
結局IPテストのスコアは履歴書に書いて良いのでしょうか?
冒頭にも書きましたが、これは一律に言えることではなく、
使い道によります。
TOEICの公式ホームページにはこう書かれています。
Q. TOEIC L&R IPテストのスコアは進学や就職に利用できますか?
A. 提出先独自の規定を設けている場合があるため、スコアを活用する際には提出先へご確認ください。
じゃあ、IPスコアが使えないのはどう言った場合でしょうか?
IPスコアではダメな場合
じゃあこの「独自の規定を設けている場合」とはどんな場合か。
それは、
「公式認定書」の提出が必須な場合
です。
実は、公務員試験のために提出するTOEICスコアや、
大学院入試の英語試験免除に使うTOEICスコア、
一部企業の採用に使うTOEICスコアでは、
公式認定書の提出が求められることがあります。
僕が知っている限りでは、
- 英語教員免許や通訳免許など、英語関連の公務員
- 大学院受験で英語試験免除に使う
ときは、公式認定書が必要です。
公務員と言っても、英語関連の仕事のときだけなんですね。
だから、逆にいえば、
上記以外のほとんどの場合、
公式認定書の提出はいらない
ということです。
IPスコアの履歴書への書き方は?
では、英語系の公務員以外の方は、
どのように履歴書にIPスコアを書けばいいのでしょうか?
結論から言うと、普通に
「〇〇年〇〇月 TOEIC 〇〇 点取得」
とIPと明記しなくてもOKです。
理由はカンタンで、
公式認定書を求めていない時点で、
公開もIPも区別していないからです。
僕自身、高校卒業時にTOEIC895点を取ったのですが、IPテストでした。
でも、その時はIPテストと公開テストの違いも知らず、
普通に「TOEIC 895点」と履歴書に書いていろんな企業に提出したのですが、
突っ込まれたことは一度もありません。
そもそも、TOEICスコアは採用を決める判断材料の一つでしかないのです。
そんなに厳密性を求めてどうするの?、ってかんじです。
オンライン受験は大丈夫?
最後に、オンライン受験について。
2020年のコロナの関係でIPテストはオンライン受験が可能となりましたが、
オンライン受験の扱いも気になりますよね。
結論から言うと、
オンライン受験のスコアも、
公開テストや通常のIPテストと同じ扱いです。
公式ホームページにはこう書いてあります。
TOEIC L&R公開テスト、TOEIC L&R IPテストおよびTOEIC L&R IPテスト(オンライン)のテスト結果(スコア)の意味は同じです。
ただし、注意したいのは、オンラインのIPテストは、
公開テストやIPテストと問題形式が違うことです。
CAT(Computer Adaptive Test)という仕組みを取り入れていて、
受験者の能力に合わせて出題するテスト問題を変化させているらしいです。
だから、試験時間を短縮できるらしく、
2時間ではなく1時間です。
スコアの意味は同じですが、受験する時には注意が必要ですね。
まとめ
今回の記事をまとめておくと、
- IPテストは、公式認定証ではなく、個人成績表が渡される。
- 英語系の公務員、大学院入試の2つ以外は、IPでもOK
- 履歴書にも、IPと明記する必要はない
英語教師や通訳になりたい人、大学院受験に使う人以外は、
基本的にTOEICはIPテストで何の問題もないです。
IPの方が受験料が安いし、成績が出るのが早いので、
積極的にIPテストを活用していきましょう!
最後に、東大生英語教師でTOEIC900点の僕が、
TOEICの点数を上げ方をまとめた記事も紹介しておきますね。
TOEIC900点の具体的な取り方を解説してます。
また、動画がお好みの方は、動画の方でも具体的にわかりやすく、
TOEICスコアの伸ばし方を解説してます。
また、TOEIC当日の飲食で気をつけるべきこともまとめてます。
それでは、よい英語ライフを!
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