東大生英語教師のジャックです。
今回は、「超越文法」の作者であり、
15か国語が話せると話題の
溝江達英さん
について徹底的にまとめてみました。
(公式ホームページより)
さらに、溝江さん自身だけでなく、
溝江さんの英語の教材である
超越文法
についても実際に購入して視聴してみたので、英語教師の僕が徹底的にレビューをしていきたいと思います。
さて、東大生英語教師からみた溝江さんや超越文法はどんな印象だったのか。
さっそくいきましょう。
溝江達英とは?
まずは、溝江さんについてあまり知らない方のために、彼の軽くプロフィールを紹介しようと思います。
職業は言語学博士です。
英語の教師ではなく教えるのは専門ではないみたいですね。
教えると言うよりかは、言語の研究が専門です。
そして、溝江さんのホームページによると、経歴は、
- 青森県に生まれる
-
中学生の時、初出場の英語スピーチコンテストで優勝
-
カナダ系のミッションスクール(函館ラ・サール高校)で3年間みっちりカナダ人、イギリス人から英語を学ぶ。
-
早稲田大学第一文学部に入学し、第二外国語でフランス語を選択カナダへ留学
-
日本へ帰国後、様々な言語を学ぶ
- カナダで教員生活と研究生活を送る
(http://www.drmizoe.com/profile/)
こんな感じで、主にカナダを軸に活動しています。
カナダでは英語と同時にフランス語も使われている地域があるので、「多言語」に興味がある溝江さんにとってはちょうどよかったみたいですね。
溝江さんの教え方のスタイル
では、次に溝江さんの教え方について。
なんでわざわざ教え方を紹介するかと言うと、独特だからです。笑
結論からいうと、こんな感じ。
- 1つの文をめちゃくちゃ深く掘り下げる
- 話があちこちにとんで次から次へと知識が出てくる
溝江さんは普通の教師のような教え方はせず、なんと1つの英文に何時間もかけることもあります。
「一つの文にどうやったら何時間もかかるの!?」
って僕も最初に思ったんですが、実際に聞いてみると、
「ラテン語やフランス語など他の言語と関連づけて話しているから」
だとわかりました。
例をあげると、”humiliated”という単語について。
humiliatedという単語知ってる?
・・・
じゃあ、humanという単語は知ってますよね。
humanという単語はラテン語のhumusから来てるんですけど、
このhumusの意味は、「土」、もっといえば「塵」なんですね。
で、塵って言う感じは、音読みすると「じん」なんだよね。
で、「塵」と「人」が偶然読み方が似てると思ってもらえたら良いんですけど、
「塵」っていうのはつまり地面で、聖書ではアダムは土から作られているんですよね。
で、「土をつける」とはどういう意味かどう言う意味ですか。
相撲の世界で「負ける」、つまり「侮辱される」って意味ですよね。
だから、humiliateっていうのは、「辱めを受けた」って意味なんですよ。
ラテン語の話になったり、旧約聖書の話になったり、言語学的にめちゃくちゃ深く掘り下げたり、「本当か!?」と思うような意味のつながりを説明したり。
(ちなみに、僕は中国語も話せるのですが、「塵」と「人」が読み方が同じなのはただの偶然です。音読みの元になっている中国語だと読み方違うので。)
さらに、もう一つのスタイルとしては、知識の量がおおいので話題が次々に飛びます。
例をあげましょうか。
先ほどの続きです。
・・・
だから、humiliateっていうのは、「辱めを受けた」って意味なんですよ。
ちなみに、「土をつける」って英語だと”bite the dust”といいます。
つまり「土を噛む」っていう表現なんですよ。
面白いですよね。
・・・
そう、面白いんですよ、英語の表現って。
「過去を水に流す」と言いますよね、日本語で。
日本人は、過去は水に流れる感じなんですけど、でも英語では過去を水に流さないんですよ。
英語では、過去は「土に埋める」もんなんですよね。
beryするもんなんです。
・・・
と、最初は”humiliate”の話をしていたのに、一瞬で関係ないところに話題が飛んでいくんです。笑
それだけ彼の頭の中にはいろんな知識が詰まっていて、芋づる式に出てくるのでしょうね。
さすが、言語学者です。
超越文法のレビュー
そんな溝江先生は、「超越文法」という教材も出しています。
溝江先生の実際の講義を動画教材として販売しているものです。
この超越文法、賛否両論があるので、今回が僕が英語教師として、メリットとデメリットをまとめていきます。
超越文法のメリット
まずは、メリットについて。
超越文法の大きなメリットとして、
溝江先生の大量の言語の知識を浴びることができる
ことがあります。
僕は3か国語しゃべれるのですが、溝江先生は15か国語しゃべれて、しかも言語学を専門やっているので正直、知識の量が半端ないです。
一回2時間ほどの授業時間の中で、先程の”humiliate”にもあったように様々な言語学の知識が滝のようにあふれてきます。
これが、単純に知的好奇心を刺激します。
僕は、エンターテインメントだと思っています。
今までみたことない視点で英語を知ることができるので、英語が好きになります。
英語のモチベーションの起爆剤としてはもってこいですね。
超越文法のデメリット
しかし、そんな超越文法にもデメリットがあります。
そのデメリットとは、
英語の試験には役立たない
ということ。
超越文法の講義の中身は、さきほどの”humiliate”の説明のように、言語の起源などを中心に話していくので、英語のテストの点数にはつながりにくい、ということです。
受験生や、TOEICを目指している方は、正直言って、超越文法を受けてもテストの点数は上がらないと思います。
たぶん、効率的な単語の覚え方とか、長文読解の方法を学んだ方が、テストの点数には繋がりますね。
あくまでも「英語のモチベーションを保つ」という目的で使いましょう。
まとめ
今回は、溝江達英さんとその教材である「超越文法」を英語教師という立場からレビューしてみました。
正直、僕は溝江さんの講義は好きですね。
僕はもうTOEICのテストで点数をあげようという欲求がないので、単純にエンターテインメントとして知的好奇心を満たす手段として視聴しています。
言語学者なので、知識量がハンパないです。
- 英語自体を好きになりたい
- 知的好奇心を満たしたい
こういった方には、溝江さんの講義はぴったりだと思います。
日本だと「外国語=英語」みたいな錯覚をいだきがちですが、
英語は結局数ある言語のなかの一つでしかないので、言語学的な観点で英語をみてみるのも面白かったですね。
ぜひ、興味がある方はのぞいてみてください。
(超越文法を買っても僕には一円も入らないのでご安心ください。笑)
英語を学ぶと、本当に世界が広がります。
「英語を学ぶとどんなメリットがあるの?」
ってことは、実際に僕が感じたことをありのまま話した動画があるので、
ぜひ一緒のみてみてください。
以上、正直な感想でした。
「そうじゃなくて、テストの点数をあげたいんだよ!!」
という方は、以下の書籍も読んでみてくださいね。
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